前号でCD制作にまつわるエッセイを書いた。
これは全体を見渡しての感想だったんだけど
今回はCDのジャケットデザインをデザイナーに依頼してみて感じたことを書こうと思う。
まずはデザイナーの紹介。
夫の同僚でもあるKentaroh Mizumoto氏
Kentaroh氏の相方のHyon-D の両氏だ。
この二人を以下では「デザイナーズ」と呼んでいく。
(この記事のサムネイルはHyon-DがCDを開封する瞬間をKentarohが捉えたもの)
我々からデザイナーズへの依頼内容は4つ:
①我々夫婦が活動していく上での屋号の考案
②我々夫婦の活動におけるMission, Vision, Valueの言語化
③CD「A-session」のジャケットデザイン
④HIKARU HASHIMOTOロゴデザイン
①は、元々「LimeStyle」というプロジェクト名を自分たちで考えて掲げてきたけど、
強い想いがあって決めたわけではないのもあって、前に押し出すのが何となく躊躇われる場面が多々あった。
そこで、②を依頼し、それに沿う屋号があれば追加提案してほしい、
というのが当初の依頼だった。
進め方は、まず、我々からこれまでの夫婦の歩みをインプット。
それをデザイナーズが解釈して言語化。更に、ロゴデザインという形で視覚化。
いくつかのデザイン案から更に我々がインスピレーションを得て、夫婦で形を選択する。
というもの。
デザイナーズ独自の言語化&視覚化の技術があって成立するこれらは、夫婦だけでは成し得ない知的作業だった。
最終的に私たちが選んだ屋号は「ONT ON」(オントオン)。
ONはkeep on~という英語があるように「~し続ける」という意味を持ち、
また、音、温、恩といった私たちの人生観を表す言葉を連想させる響きを持つ。
それを「ONとON」という風に重ねることで、互いの才能を掛け合わせ、補完しながら成長し続ける我々夫婦を表している。というもの。
これを説明された我々、すぐに「ONとONは私たちの生き方そのものだ」と感じた。
もし仮に、私達が音楽をやらなくなっても、
これから人生で岐路に立たされ、「どちらに進もうか?」となった時に
「ONとONならコッチだよね!」こういう話し合いができる、まさにコンパスのような言葉だと思う。
下手なコーチングよりも為になる、人生の指針を授けてもらった。
そして、デザイナーズからもらった、感謝してもしきれないギフトがもう一つある。
HARUKAのことを「文豪」と呼び、
執筆に対する自信とモチベーションをくれたことだ。
私は、子供のころから読書はほとんどせず、家では漫画ばかり読んでいた(いまもそう)。
そのせいで高校の現代文は苦手科目。
国語教師の母に「現代文苦手なHARUKAちゃん」認定を受けてきたし
夫が私の文章をいくら褒めてくれても素直に受け取れない、ましてや文豪などと言われるのは初めてで。
そんな自分でも勇気を出して書いたブログ。デザイナーズが①②を考案するにあたり、とても参考になったそうで。
Hyon-Dは内容にいたく感動してくれたし
Kentarohが②のステートメントを起案するにあたっても、ブログを読み、我々夫婦のことをかなり汲み取って進めてくれたのだ。
デザイナーズと繋がり、自分の価値観を綴るブログには、同じ価値観をもつ読み手との関係構築に絶大な効果があることを知ったことで、心の底から「書いていて良かった」と実感できた。
Hyon-DとKentarohに読んでもらえて良かった。
そんなこんなですっかり意気投合したデザイナーズに、③CDジャケットのデザインを依頼したのは、至極当然の流れだったと思う。
ここでもやはり、デザインの力を実感する。
HIKARUが磨いて磨いた一瞬の音たち。
その音に込めたHIKARUの想いを聴いて
デザイナーズがグラフィックを与えていく。
元々格好いい曲が似合う服を来てより形になるような、ジャケットを含めた総合的なアートになっていくことにこれまた深く感動し、
ジャケットが出来上がることで「あぁ自分たちの作品が出来たんだ」と思えた。
音楽はストリーミング配信が主流になりつつある現在に、敢えてCDを作ることにして良かったと思えた。
そして、CDジャケットデザインが概ね固まった頃に、④HIKARU HASHIMOTOロゴデザインを依頼することになる。
このロゴを作ることにした背景は最初のブログをご覧頂きたい。
我々夫婦とデザイナーズは
デザイナーとクライアントという仕事の関係性がベースにある。
けれど良い意味でビジネスライクじゃない、大学の仲間と過ごすみたいな心地よさのなかで、夫婦の音楽活動に対する自信と確信、自分への気づき(文章が好きで得意)をもらえる出会いだった。
こんなに長々と言葉したのにまだ言い尽くせないほど、とにかくデザイナーズと色々話しながら考えるのがすごくすごく楽しくて。
彼らに出会えて、デザインを頼んで本当によかったと思う。
心から、ありがとう!!!!!!
HARUKA
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